私たちの暮らしの中で、マッチを使うことは少なくなりましたが、線香花火や蚊取り線香にはやはりマッチが似合います。炎の色は優美で擦る音や匂いも五感に響いてくるものがあります。
マッチは1827年にイギリスで発明されますが、まだ使いづらいものでした。現在のような小箱にマッチを擦って火をつける実用的で安全なマッチは、1855年にスウェーデン・イェンシェピング社で作られます。
日本でも1875年から生産されるようになり、戦後はスウェーデン・アメリカとならび世界の3大生産国となります。安全で便利なマッチは私たちの暮らしに大きな貢献をもたらしてくれました。また実用性だけでなく、店舗や企業の広告という役割も兼ね、マッチラベルの美しいデザインはコレクターがいるほどのものとなっています。
この夏、旅行先で見つけたアンティークのボタンや可愛いお箸置きなどの小さなギフトを、マッチ箱スタイルで贈ってみませんか。きれいな柄の千代紙と画用紙で作ります。思い思いの色・柄あわせを楽しんでみてください。
横にスライドするラッピングは、紙を開いて中身が現れる包みとは別の面白さがあります。マッチ箱より大きめのサイズで作ることができ、何回も開け閉めができるのでちょっとした小物入れとして使うこともできます。
いろいろな楽しみ方のできるマッチ箱スタイルのラッピングに乙女心を詰めて・・・。
「人生は一箱のマッチ箱に似ている。重大に扱ふのは莫迦莫迦しい。重大に扱はなければ危険である。」文豪芥川龍之介が著書「侏儒の言葉」で語っています。マッチ1箱くらいとぞんざいに扱っていると、そこにはマッチ1本で全てが灰になるような重大な危険性をはらんでいる・・・。
蝉の声を聞きながら昔の文学に触れてみる時間。パソコンもBGMもない、側にはただ好きな本があるだけ・・・。
ゆったりとした空間に身を置く夏の過ごし方は、かけがえのない貴重なものです。
1. まず引き出しをつくります。箱の内寸に合わせて上下左右に4枚の千代紙をカットします。
2. 箱の左右の側面に千代紙をかぶせ、箱にテープでとめます。
3. 手前の千代紙を箱の底面に敷き、手前側面をかぶせ、裏でテープでとめます。
4. 箱を裏向きにしたあと、底の角に千代紙を合わせ両面テープで貼り、残った側面にかぶせます。
5. 裏からかぶせてきて余った紙は、3で敷いた底の千代紙の下に入れ、テープでとめます。
6. 次にスリーブをつくります。箱の幅に合わせた画用紙を用意し、箱を裏向きに置きます。
7. 箱の手前端に画用紙の端を合わせ、箱の角で折ります。強く巻きすぎない様に注意しましょう。
8. 画用紙を折るときは、箱の角に合わせて筋をつけてから紙を折ると、角がきれいに折れます。
9. 一周した画用紙を両面テープで張り合わせます。
10. 箱を表向きにし、画用紙の上に千代紙を両面テープで貼ります。
11. 薄葉紙を少しカットしてクシュっとさせ、ギフトを入れます。
12. 紙紐を縦に掛け、固結びをして完成!
- 紙のサイズについて
- 【千代紙】
- 箱の左右の側面を覆うサイズ+1~2センチを2枚
箱の上下の側面・底面を覆うサイズ+1~2センチを2枚
箱の面積より1センチほど小さめサイズを1枚(画用紙に貼る)
- 【画用紙】
- 箱のヨコ幅×箱1周+3~4センチを1枚
和テイストで贈るメッセージアイデアをご紹介しましょう。千代紙を短冊状に折って、そこにメッセージを書きます。紙紐をこより代わりに使った、可愛らしいメッセージ。パタパタと開く楽しさがあります。クラフトバックなどのシンプルな素材との相性も抜群です。
- 千代紙を裏向きに2回折ります。
- 折った紙を広げ、折り筋に沿って全てが表向きになるよう蛇腹状に折り直します。
- 一つ穴をパンチなどで開けます。
- 裏にメッセージを書き紙紐を通してできあがり!